【友人の本当の話:自慢の話】
- J Athletics Canada

- 10月21日
- 読了時間: 5分
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みなさんに変な質問です。
明日から視力がほぼゼロになったらどうしますか。
つまり昨日見えてるものが、今日見えなくなったらどうしますか?
誠コーチの答えは「絶望する」でした。
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10年ぶりに、誠コーチはカナダで一緒にサッカーをしていた友人に会いました。
松本光平。以前JACのブログ記事内で彼のことについて書いているので是非読んでください。 金髪の割と顔立ちが整った彼の記事です。

信じられない出来事で、残りわずかの視力になってから会うのが今回が初めてだったのは、何せ彼に会えるのは日本であることなんてほぼなかったから。それでも今回「会える」とわかった彼は高知から飛んできてくれた。文字通り飛行機で。その理由は、「あんなに金がない時に、まこっさんの炊き込みご飯で救われて、点とってくれたら勝利ボーナスがSUSHIだったから、あの時サッカーやっててよかったって思いました」
カナダ時代にうちに居候していた彼は不遇な環境はたくさんあったけど、とにかくポジティブだったよ。不慮の事故の知らせを聞いた時「落ち込んだのは眼球だけです。」と言った光平に「そうは言ってもサッカーは流石に無理やろ」と、そう思っていた自分を殴りたい。ボコボコにしてやりたいです。
治療、リハビリ、トレーニング、治療、普通のサッカー選手としての強化、ロービジョンサッカー、フットサル、新スポーツの戦術理解、ニュージランドでサッカー選手としての契約、そして2025年Jリーグの舞台へ。J3高知ユナイテッド契約。

文字に書くには魂を乗せる覚悟が必要なくらい、これ視覚障害を背負った人間の話。
人間にこんなにも「諦めない」という力が備えられる事を知って、同じ人間として尊敬と「俺ってどうなの」を抱きます。
もちろん光平は自分一人の力だけではないと、口々に周りの人への感謝を口にしていたんです。
10年前の短い期間のことだったけど事細かに昨日のことのように覚えてるし、いく先々でお世話になった人の事も聞かせてもらったし、久々の電話で「留学したい中学生のサッカー選手がいるんです。」と言って視力を失った彼を当たり前のように力を貸してあげていました。
身近にそんな人がいないで育った誠コーチは素朴な疑問をたくさんぶつけてみた。
「ロービジョンサッカーとブラインドサッカーってどう違うの?」
「今、白杖は使わないの?この黄色いタイル役立ってる?」
「文字が打てないって、点字は読めるの?勉強した?」
「フットサルに行ったのはなんで?」
「今のチームでの手応えはどうなの?」
「サッカー以外の時って何してるの?」
書ききれないことがたくさんあって、でも総じてその答えはユーモアに富んで明るい。さすが関西人だと思う。

その答えの一つ僕らのやりとりはこれ。
「文字を書くのと読むのは諦めました。元々テレビも見ない方だったし、携帯も触らない方だったから余計集中できるんです。」
現代にとってスマホやウェブの世界やテレビからの情報がたくさんある中で、光平は物理的に距離を置き、自分が信じた、触れた正しいものとのやり取りをしている。
音声でやりとりしたから、どこで何を話したか検索に困るけど、改めに自分でも識字や文字に依存していている事を感じて、弱視、視覚障害を持つ人の世界の大変さも同時に触れました。
将来の野望も聞かせてもらったし、日常に潜む大変さとかも聞かせてもらったし、サッカーの世界の話もしたし、視覚障害の世界の話も小田急線と京急本線の優先席に乗って聞かせてもらいました。
珍しく、ゲームもせずにずっと話を聞いていた息子にも、こんな選手が友達なんだよ自慢した。彼が見せてくれたのは「自分の見え方がどうなってるか」の特殊ゴーグルでした。
初めてこれをつけてサッカーする人は気持ち悪くなるか、トップレベルの選手になると30分くらいで慣れてボールを扱えるかどっちかです。

高知ユナイテッドSCに加入してからも、もちろん自分のパフォーマンスの向上のためにトレーニング、そしてケア、のサイクルは全く変わらない。視覚障害の世界でも勇気を与えた彼のプレーは間違いなく「目が見えて普通に過ごす」誠コーチに刺激と勇気と落胆を与えてくれたのは間違いなし。
ゴーグル姿で夢のつづきを走りはじめた彼を応援したい。
視力がないことを「ハンデに見せない」のが彼のすごさだ。プレーも、言葉も、生き方も。会うたびに、「まだやれる」「まだ走れる」と背中を押される。
松本光平がトロントに来た時はぜひキッズの前に来てもらいたい。待ってます。 その時はまたうちに居候でいい。(冷蔵庫、前よりは充実してるはず。たぶん。)
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サッカーだけでなく、「続ける」を続けると、出会いもあれば別れもある。そんな出会いが嬉しいことに多い誠コーチは自慢できる事かと思います。サッカーで会える友達を増やしに来ませんか?



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